ベアフットランニング Vol.1



僕はプロのランナーではありません。別に速く走れる訳でもありません。過去に参加したことのあるレースは義務教育・高校のマラソン大会、アイオワ州ダベンポートでのBix7(7マイルのマラソン)とハーフマラソンが1回ずつです。ハーフマラソンを走って以来、寒い冬を言い訳に走るのを止めてしまいました。

 

そして、今、というか一ヶ月ほど前からまた走り始めました。何でも形から入りたがる性格です。ランニングと言えば靴だろう!とASICSから出たばかりのBlur33というモデルを購入、ランニングを再開したわけです。それから一週間後、カイロプラクターという職業上、情けないランニングのフォームで走るわけにはいかんと思いました。そしてフォームを研究すべく色々なランニングに関する本を読みました。プロのアスリートが書いた本、カイロプラクターや医者の書いた本など色々です。で、行き着いたのがGordon Pirieという人の書いたRunning Fast and Injury Freeという本でした。彼の本の中にはどのようなフォームが効率がよいか、着地の際には足のどの部分が最適であるか、1秒間に何歩ぐらいのペースが良いのかというようなことが細かく書かれていました。その辺の細かいところはまた後ほど紹介します。なんたって、これはまだVol. 1ですから。

 

彼の主張の一つにランニングシューズの構造に対する指摘があります。靴の踵が高すぎるということです。クッションや安定性を重視するあまりに足のサポートをしすぎることによってランニングのフォームが乱れ、結果的にケガの原因になっているのではないかというのです。足を守ってくれるはずの靴がかえって逆効果である・・・。こちとら新しいランニングシューズを手に入れたばかりなのにそれはちょっと認めがたい主張だと思いました。

 

しかし考えてみれば我々の祖先が二足歩行になってから数百万年の間、人間はたぶんずうっと裸足だったと思います。長い歴史の中で靴を履いているのはまだほんの少しの間だけ。恥ずかしながら、解剖学を散々勉強したのにも関わらず、足に最も良いのは裸足(Barefoot:英語で裸足のことをベアフットと呼びます。)ではないのか!という事にいまさら気づいた訳です。いや、気づいたというよりは、初めて真剣に考えた、と言っていいでしょう。

 

というわけで、せっかくASICSの皆さんが膨大な研究費と時間と経験を元に開発した靴の一つである我がBlur33への興味は極端に下がり、ベアフットランニング(長いのでBFRと略します。)に関する勉強を始めました。全然知らなかったのですが、BFRに関するリサーチや文献は非常に多いのです。こんなに溢れているのになんで今まで知らなかったんだ、とまた少し恥ずかしくなりました。調べれば調べるほど納得。なるほど、そうか、これはスゴイ、というわけでBFRを始めるためのトレーニングをいつものランニングに加えました。

 

一週間後、うちのウラの道を釘やガラスが落ちていないかよぉく確かめた後、軽く走ってみました。凄く不思議な感覚でした。ランニングシューズを履いた時は足が地面から離れるときに靴のクッションによる反発ですこし跳ね返されるような感覚があるのですが、裸足の時はそれがありません。代わりに腿とふくらはぎの筋肉がクッションの役割を果たしているように感じました。そして足のウラから伝わる地面の状況の情報量が全然違います。足の裏がこんなにも繊細に表面の情報をとらえることが出来るとは知りませんでした。(これも細かいことは後述します。)5分走ると足の筋肉が悲鳴を上げ始めました。最後に裸足で外を走ったのは中学校の時の体育祭の200m走の時以来です、体もビックリしたと思います。

 

これを機にBFRにますますのめり込んでいきました。そして専用の靴があることも知りました。ガラスや釘や石を踏むと痛いし危ないので靴をそのうち手に入れます。が、裸足で走るこの感覚に勝る物は多分他には無いと思います。では次回をお楽しみに。